2014年12月7日日曜日

見立ての体験

岡野法世作酒杯
先日いらっしゃったお客様が選ばれたこの酒杯、岡野法世先生の作品です。
釉薬がかからなかった陶土の生地の部分が三角形に残っています。
お酒が入ると中の翡翠色が俄然生き生きと冴えて素敵になる一品です。
お客様は、それをお選びになる時、「ここに富士山があるわ!私はこれにするわ。」とおっしゃいました。
その瞬間に、釉薬のかけ残った三角形は富士山となり、杯の底に溜まった翡翠色の釉薬が大きな湖になりました。
小さな酒杯が、富士山と湖を取り込んで限りなく大きい景色を眺望する杯に変化したのでした。
びっくりでした。
見立てとはこういうことか。
言葉からリアルにイメージを感じたり体感することで、小さな杯が広々とした景色に替わる。
景色を抱えた杯で酒を飲む。カッコイイ。

言葉には魔法がある。。。


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